長野県で出産・子育てがしやすい自治体トップ10
長野県は豊かな自然環境と充実した子育て支援を誇る「子育て先進県」です。特に南箕輪村と伊那市は全国的な評価を獲得し、飯綱町や松本市など各自治体が独自の強みを持ち、早期から先進的な子育て支援に取り組んでいます。
南箕輪村
「60年で人口3倍・県内唯一の人口増加を続ける奇跡の村」
独自制度
南箕輪村は約20年前から保育料の引き下げを段階的に実施し、現在までに合計7回の引き下げを実現した先駆的な自治体です。第2子は保育料が半額、第3子以降は完全無料という手厚い多子世帯支援を所得制限なしで提供しています。
高校3年生まで医療費完全無料(窓口負担は月500円まで)を実施。病児・病後児保育、産後ヘルパー派遣事業など、働く母親への支援体制が充実しています。
子育て拠点施設「南箕輪村こども館」は、遊戯室、放課後児童クラブ、創作室、学習スペース、子育て教育支援相談室、女性の就業お仕事相談窓口など多機能を備えた施設です。「すくすくはうす」では、就学前の親子が自由に過ごせる場を提供し、専門スタッフの支援が受けられます。
発達障がい傾向の子どものための療育施設「たけのこ園」を2012年度に整備し、「村の子どもは村で育てる」という信念を実現。運動あそび事業では、運動保育士が各保育園を巡回指導し、10年間の取り組みで子どもたちの運動能力が顕著に向上しています。
環境面
待機児童ゼロを達成し、村立保育園5園すべてで充実した保育を提供。日本で唯一、保育園から大学院(信州大学農学部)まですべての教育機関が揃う村という全国でも類を見ない特徴を持ちます。
伊那谷の中心に位置し、中央自動車道伊那ICから東京圏まで約2時間30分、中京圏まで約2時間と交通アクセスが良好。宅地価格が近隣自治体より低く、住宅を持ちやすいのも魅力です。大芝高原という平地林があり、年間を通じて住民の憩いの場となっています。
実績
1975年から人口が右肩上がりで増加し続け、60年で約3倍(約6,100人→約16,000人)を達成。2023年の長野県市町村別人口動態で人口が増加したのは南箕輪村を含む2町村のみという驚異的な成果です。
2020年国勢調査では高齢化率23.5%と県内市町村で最も低く、平均年齢43.8歳と県で最も若い活気あふれる村です。人口の73.3%が移住者という高い割合で、移住者を上手に受け入れてきた実績があります。「住み続けたい」と答えた村民が約9割という高い満足度を誇り、「2023年・住み続けたい街ランキング」で長野県内2位を獲得しています。
伊那市
「住みたい田舎ベストランキング子育て世代部門全国第1位」
独自制度
「田舎暮らしの本」(宝島社)の「住みたい田舎ベストランキング」で、子育て世代にぴったりな田舎部門全国第1位を2年連続(2015・2016年)で獲得。2023年には総合部門全国第4位にランクインし、移住情報サイトSMOUTの「移住アワード2022上半期」で国内外831地域の中から人気移住地1位に輝いた注目の自治体です。
高校3年生(満18歳)まで医療費完全無料を所得制限なしで実施。子育て支援センターが市内5ヵ所に設置され、育児サークル、NPO法人や読み聞かせグループのイベント開催など、子育てを支援する活動が充実しています。
長野県の「信州やまほいく(信州型自然保育認定制度)」の認定団体として、市内7つの保育園が認定を受けています。屋外での遊びや運動を中心に、さまざまな体験を通して知力と体力を同時に高める保育・幼児教育を実施しています。
市立伊那小学校は通知表・時間割がなく、総合学習や総合活動に力を入れる特色ある教育でマスコミに取り上げられています。新山小学校は通学区域を越えて通える小規模特認校で、少人数クラスならではのきめ細かな教育を行っています。
産後ケア事業では、医療機関や助産院などへ母子で宿泊または日帰りで保健指導を受ける際、必要となる費用の一部を市が補助。「お父さんのための子育てガイドブック」を作成し、男性の子育て参加を促進しています。
環境面
東京から車で約2時間45分、電車で約3時間10分、名古屋から車で約3時間、電車で約2時間50分と都心へのアクセスが良好。中央自動車道伊那ICや国道153号などの幹線道路が整備されています。
年間降雪日数は約10日、年間平均気温12度と、長野県の中では比較的温暖な気候。積雪しても10cm程度で、雪下ろしの必要がない暮らしやすさが魅力です。
東に南アルプス、西に中央アルプスという二つのアルプスに抱かれ、中央に天竜川と三峰川が流れる雄大な自然環境。スーパー、コンビニ、ドラッグストア、カフェ、ファミレスなどが揃う「便利な田舎」として移住者から好評です。
田舎暮らしモデルハウス(1泊4,000円、最長3泊4日)と移住体験住宅(30日間2万5,000円)を整備し、実際の暮らしを体験できます。2019年の利用者から8組23名が実際に移住を決定した実績があります。
実績
2015年から2019年までの5年間で、市の移住施策を活用して移住した人数は235組513人。その7〜8割が40代以下の子育て世代という特徴があります。移住者からは「伊那市の人たちは温かみがあり、人間味にあふれている」「程よい距離感を保ってくれる」という声が多く、地元の方々の人柄の良さが高く評価されています。
飯綱町
「誕生祝金20万円・卒園卒業祝金で子育て応援」
独自制度
全国トップクラスの出産・子育て祝金制度を実施。誕生祝金として出生児ひとりにつき20万円を支給し、さらに卒園・卒業等祝金として、保育園等卒園時に3万円、小学校・中学校卒業時に各5万円を支給する手厚い経済的支援が特徴です。
高校3年生(満18歳)まで医療費完全無料(福祉医療費給付)を実施。小学校・中学校の教材費支援など、教育面でのサポートも充実しています。
町内には「信州やまほいく(信州型自然保育認定制度)」の認定園である保育園・認定こども園が4施設あり、自然の中で子育てができることが人気の要因となっています。豊かな自然環境の中で、子どもたちがのびのびと成長できる環境が整っています。
移住体験住宅での移住体験や空き家情報など、丁寧な移住相談を心がけており、長野県への移住を考える方へのサポート体制が充実しています。
環境面
東京から新幹線で約2時間とアクセスが良好。町の周辺は志賀高原エリア(上信越高原国立公園)、白馬エリア(中部山岳国立公園)、妙高・戸隠エリア(妙高戸隠連山国立公園)など、日本を代表するリゾート地に囲まれており、飯綱町を生活拠点に夏山からウインタースポーツまで年間を通じて大自然を満喫できます。
りんご畑や水田が広がる里山の小さな町で、豊かな自然環境が魅力。「2023年・住み続けたい街ランキング」(大東建託株式会社 賃貸未来研究所調査)で、長野県内自治体のうち2位にランクされている住みやすい町です。
実績
2024年度に社会増(転入者が転出者を上回る)を実際に達成し、町発足(2005年)以来初の転入超過(+17人)となりました。特に町内に4施設ある「信州やまほいく」認定園での自然の中での子育てが、子育て世代の移住を後押ししています。転入者は279人、転出者は262人(それぞれその他異動を含む)で、子育て支援の充実と手厚い移住助成が功を奏しました。2025年現在も、移住相談件数の増加傾向が続き、子育て世代の割合が高い移住者が目立っています。
松本市
「県内中核都市で18歳まで医療費負担月500円の安心」
独自制度
所得制限なしで満18歳まで1ヶ月間に窓口で支払う医療費が上限500円という、県内中核都市として最も手厚い医療費助成を実施。コルセットや9歳未満の児童の弱視等治療用眼鏡、補装具などでも保険適用となったものには補助金を利用可能です。
2024年から子育て支援クーポンが電子化され、スマホで利用可能に。3歳児未満のお子様をお持ちの家庭には、子どもの一時預かりに利用できるクーポンを配布し、保育園の一時預かりサービスやファミリーサポート、病児・病後児保育、産後の家事依頼サービスにも利用できます。
多子世帯への保育料軽減として、第2子は通常の30%負担(国基準50%軽減に市独自20%軽減を上乗せ)、第3子以降は全額無料(国負担)を実施。単独通園の場合も第2子以降は20%軽減するなど、独自の支援策を展開しています。
環境面
長野県第二の都市として、充実した都市機能と豊かな自然環境を両立。北アルプスの玄関口として知られ、美しい山岳景観と文化的な雰囲気が魅力です。
公立保育園43園、私立保育園・認定こども園15園、小規模私立保育園7園と保育施設が充実。2024年4月時点の待機児童は15名で改善傾向にあります。
松本城や美術館、博物館など文化施設が充実し、教育・文化レベルの高い環境。JR松本駅から東京まで特急で約2時間30分、名古屋まで約2時間とアクセスも良好です。
佐久市
「新幹線で東京まで75分・高原都市の快適な子育て」
独自制度
満18歳(年度末)まで医療費完全無料(福祉医療費給付金制度)を実施。妊産婦の医療費も母子手帳交付の初日から出産日の翌月末日まで助成対象となる手厚い支援が特徴です。
産後ケア事業(ショートステイ型・アウトリーチ型)を実施し、出産後に母親の身体の回復や育児に不安がある場合、医療機関や助産院などへ母子で宿泊または日帰りで保健指導を受ける際の費用の一部を補助しています。
子育てママさんサポート事業や未熟児訪問指導、乳児家庭全戸訪問事業(こんにちは赤ちゃん訪問)など、妊娠から出産、子育てまで切れ目ない支援体制を整備。コウノトリ支援事業も実施しています。
「ながの子育て家庭優待パスポート事業」を実施し、18歳未満の子どもが1人以上いる世帯にパスポートカードを発行。買い物などの際に提示すれば、協力店舗で割引などの各種サービスを受けられます。
環境面
標高約700mの高原都市で、年間を通して雨が少なく、全国トップクラスの日照時間を誇ります。夏は35度以上になることがありますが、熱帯夜を記録したことがない快適な気候です。
北陸新幹線佐久平駅から東京駅まで約75分、上信越自動車道佐久ICから練馬ICまで約100分と、首都圏へのアクセスが極めて良好。都心との二拠点生活も可能な立地です。
「平尾山公園(佐久平ハイウェイオアシス パラダ)」は高速道路から直接アクセスでき、多目的広場、全長420mのスーパースライダー、アスレチック、温泉などが併設された通年型の観光施設。「sakumo 佐久市子ども未来館」ではプラネタリウムや工作ルームで体験を通した学びができます。
長野市
長野県の県庁所在地として、充実した都市機能と子育て支援を提供。高校3年生まで医療費助成(所得制限あり)を実施し、児童手当の第3子以降増額など独自の経済的支援を展開しています。善光寺や戸隠など観光資源も豊富で、北陸新幹線で東京まで約1時間30分という交通利便性も魅力です。
安曇野市
北アルプスの麓に広がる田園都市で、高校3年生まで医療費助成(月額上限500円負担)を実施。水源が豊かで米の出荷量が多く、おしゃれな飲食店や生活に必要なものを買いそろえられるお店が充実。製造業が盛んで雇用環境も良好です。自然と利便性のバランスが取れた「ちょうどいい」暮らしが実現できます。
上田市
真田氏ゆかりの城下町として知られ、高校3年生まで医療費助成(月額上限500円負担)を実施。北陸新幹線上田駅から東京まで約1時間20分と通勤圏内で、精密機械工業が発達し雇用が安定。子育て支援施設や保育園・学校が充実し、歴史と文化、自然のバランスが取れた子育て環境です。
諏訪市
諏訪湖や霧ヶ峰、富士見高原など自然に囲まれた環境で、高校3年生まで医療費助成(月額上限500円負担)を実施。「EPSON」のセイコーエプソン本社があり精密工業地帯として雇用が豊富。諏訪大社や諏訪五蔵めぐりなど観光資源も豊富で、水がきれいで酒づくりが盛んな文化的な地域です。
茅野市
八ヶ岳山麓の高原都市で、高校3年生まで医療費助成(月額上限500円負担)を実施。リゾート地としての魅力と住宅地としての機能を兼ね備え、蓼科高原や白樺湖など観光スポットが豊富。子育て支援施設や保育園が充実し、自然の中でゆったりとした子育てが可能な環境です。
選び方のポイント
経済的支援を最重視するなら
飯綱町(誕生祝金20万円+卒園卒業祝金)、南箕輪村(保育料7回引き下げ・第3子以降無料)、伊那市(医療費完全無料+充実した支援制度)が最適です。現金給付と実質的な負担軽減の両面からサポートが充実しています。
大都市へのアクセスを重視するなら
佐久市(新幹線で東京まで75分)、長野市(新幹線で東京まで90分)、上田市(新幹線で東京まで80分)が好アクセス。首都圏への通勤や二拠点生活を考える方に最適です。
自然環境を重視するなら
伊那市(南アルプスと中央アルプスに抱かれた環境)、飯綱町(りんご畑や水田が広がる里山)、南箕輪村(大芝高原での自然体験)など、豊かな自然と手厚い支援を両立する自治体が魅力的です。
待機児童ゼロを重視するなら
南箕輪村(待機児童ゼロ継続)、伊那市(保育園27ヵ所で充実)が実績を持ち、安心して働きながら子育てができる環境です。
教育の独自性を重視するなら
伊那市(信州やまほいく7園認定、通知表なしの伊那小学校)、南箕輪村(運動あそび事業、保育園から大学院まで)が先進的な取り組みを展開しています。
都市機能と自然の両立を重視するなら
松本市(文化都市と北アルプスの景観)、安曇野市(田園風景と生活利便性)、佐久市(高原都市の快適さ)が「便利な田舎」として高い満足度を提供しています。
結論
長野県は豊かな自然環境と先進的な子育て支援が融合した「子育て先進県」です。南箕輪村は約20年前から保育料引き下げに取り組み、60年で人口3倍という驚異的な成果を達成。伊那市は「住みたい田舎ランキング」で全国1位を2年連続獲得し、全国から注目を集めています。
飯綱町の誕生祝金20万円、初の社会増達成で移住人気を証明。松本市の18歳まで医療費月500円、佐久市の新幹線75分という交通利便性など、各自治体が独自の強みを持ち、「経済的支援」「自然環境」「教育の質」「交通利便性」「都市機能」のいずれを重視するかによって最適な選択肢が変わります。
長野県全体で「信州やまほいく(信州型自然保育)」を推進し、自然を活かした保育・教育に力を入れているのも大きな特徴です。2024年度から県独自の「子ども・子育て応援市町村交付金」を創設するなど、県全体で子育て世帯を支援する体制が強化されており、今後も子育て世帯にとって魅力的な環境が整っていくことが期待されます。
都心から2〜3時間圏内という適度な距離感、豊かな自然環境、充実した子育て支援、そして温かく受け入れてくれる地域の人々——長野県は、子育て世代の理想的な移住先として、全国から高い評価を得ています。
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